
【日光建築特集】空間デザイナーが巡る、個性豊かな日光建築スポット10選 〜旧日光エリア編〜
歴史と自然が融合する日光エリアには、建築の魅力が詰まったスポットが点在しています。伝統とモダンが共存するカフェやホテル、そして歴史的な建造物まで、デザインの観点から楽しめる場所を厳選してご紹介します。
INDEX
- 1.【THE KICHI brewery & cafe】旅の始まりの一杯に。
- 2.【鉢石カフェ】文化元年創業の老舗「湯沢屋」が手がける和モダンカフェ
- 3.【meguri coffee】大正初期の美意識が息づくコーヒーロースタリー
- 4.【明治の館】文明開化の音がする、気品溢れる洋館レストラン
- 5.【古民家一棟 離れ「紫陽花」】和の趣を感じる隠れ家宿
- 6.【日光西町倶楽部 あらとうと】和と洋が調和する上質な建築空間
- 7.【ふふ 日光】伝統とモダンが調和する建築美
- 8.【日光金谷ホテル】日本最古のクラシックリゾートホテル
- 9.【JR日光駅】日光の玄関口。クラシカルな大正浪漫漂う日光駅舎。
- 10.【日光市庁舎】「大名ホテル」との異名を持つ城郭風建築
- 日光には名建築がまだまだ盛りだくさん!
1.【THE KICHI brewery & cafe】旅の始まりの一杯に。
2024年8月にオープンした「THE KICHI brewery & cafe」は、日光観光の基地(拠点)として、訪れた人に”吉”をもたらすブルワリー&カフェです。
1階は注文スペースとショップ、2階はイートインスペースとなっており、店内はグレーを基調に木材や植栽を取り入れた温かみのある空間です。特に、2階の山型にくり抜かれた窓とスキップフロア構造により、店内のどこからでも美しい日光連山の景色を楽しめます。
注目は、処分予定だった大樽を再利用したカウンター。このユニークなカウンターで楽しむビールは、特別な一杯です。東武日光駅のすぐ前で、観光の合間のひと休みにもぴったり。
旅の始まりはまず「THE KICHI」で、日光観光に”吉”を呼び込んでみませんか?
2.【鉢石カフェ】文化元年創業の老舗「湯沢屋」が手がける和モダンカフェ
鉢石カフェは、創業文化元年(1804年)の老舗和菓子店・湯沢屋が運営するカフェです。
明治・大正期の蔵2棟をリノベーションした蔵の面影が残る落ち着いた空間が特徴的です。
店内は、和の趣とモダンデザインが融合した落ち着いた空間。
薪ストーブやアンティークな箪笥、絵画などが飾られ、まるでギャラリーのよう。
薪ストーブの裏には、元々蔵の扉として使われていた鉄扉が再利用されています。
100年以上の歴史を刻む石蔵の静かな時の流れに包まれながら、伝統の和菓子とともに、心からの贅沢なひとときをお楽しみください。
3.【meguri coffee】大正初期の美意識が息づくコーヒーロースタリー
meguri coffeeは、大正初期に建築された古美術店ギャラリーをリノベーションしたコーヒーロースタリー&ベジカフェです。
この建物は、当時の美意識を感じさせる花鳥風月の貴重な天井画を今も残しており、歴史ある和の美とモダンなデザインが見事に調和しています。
和モダンな空間で、自然素材を活かした温かみのある内装
日光街道の終点「鉢石宿」の景色を楽しめる、大きな窓と開放的な空間
歴史ある美しい天井画が、訪れる人を特別な時間へと誘います。
日光観光の際は、ぜひこの歴史と美が詰まったカフェで一息ついてみてください。
4.【明治の館】文明開化の音がする、気品溢れる洋館レストラン
「明治の館」は、アメリカの貿易商F.W.ホーン氏の別荘として建てられた、歴史ある洋館レストランです。日光駅周辺でも特に美しい建築のひとつで、「乱れ石積み」と呼ばれる伝統技法を用い、地元産の「日光石」をふんだんに使用した外観が特徴です。
この建物は、地元職人の技術と日光の素材を活かし、唯一無二の存在感を放っています。特に自然光を取り入れた窓の配置や、四季折々の景色を楽しめる借景が、訪れる人々に落ち着きと癒しを与えてくれます。
歴史と自然、そして美食が揃うこの場所は、日光観光の合間に訪れるのにぴったりなスポットです。
「日光らしさ」を感じながら、贅沢なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
5.【古民家一棟 離れ「紫陽花」】和の趣を感じる隠れ家宿
古民家一棟 離れ「紫陽花(あじさい)」は、築約60年の古民家をリノベーションした、一棟貸切の離れ宿です。
建物は、伝統的な日本家屋の魅力を活かしながら、現代の快適さを取り入れたデザインが特徴で、古民家ならではの味わい深い佇まいを保っています。
室内には、縁側や畳敷きの居室、和紙の障子など、随所に和の意匠が施されています。古材を活かした家具や、柔らかな照明が、落ち着いた時間を演出します。また、広い窓からは四季折々の自然を楽しめ、部屋全体が外の景色と調和するように設計されています。
敷地内には、美しい庭が広がり、客室や露天風呂からは、豊かな緑を眺めることができます。特に、紫陽花の花が咲く季節には、花々が庭を彩り、まるで絵画のような景色が広がります。
「紫陽花」は、プライベートな時間を大切にするため、一棟貸切スタイルを採用しています。ほかの宿泊客を気にすることなく、自由な時間を過ごすことができ、カップルや家族連れ、友人同士の旅行にも最適です。
静かな時間を楽しみたい方や、日常を離れてゆっくりと過ごしたい方にぴったりの、特別な和の宿です。
6.【日光西町倶楽部 あらとうと】和と洋が調和する上質な建築空間
「日光西町倶楽部 あらとうと」は、日光の美しい自然に包まれた、和と洋のデザインが見事に融合したラグジュアリーホテルです。建物は、伝統的な日本建築の趣を残しながら、現代的なエレガンスを感じさせるモダンデザインが特徴。木材や自然素材を多用したインテリアは、穏やかな温もりと洗練された印象を兼ね備えています。
館内は、栃木県産の大谷石や木材をアクセントに、シンプルで機能的なインテリア配置がなされています。梁を見せるデザインや、特注品のヨーロッパ製照明、無垢材のフローリングが、空間全体に落ち着いた雰囲気を醸し出しています。また、細部に至るまで地元職人の手仕事が光り、建築そのものが特別な体験を提供します。
ラグジュアリーなスイートルームや、スタイリッシュな共用スペースは、上質なデザインと居心地の良さを両立。和と洋の要素が調和した空間は、非日常の中でも心からリラックスできる特別な体験を提供します。
日光観光の拠点としても、自然の中で贅沢な時間を過ごす場所としても魅力的な「日光西町倶楽部 あらとうと」。建築美と豊かな自然を楽しめる、唯一無二の宿泊施設です。
7.【ふふ 日光】伝統とモダンが調和する建築美
建物には木や石などの天然素材がふんだんに使われ、温かみのある落ち着いた空間が広がります。館内は大きな窓から四季折々の風景が楽しめる設計になっており、エントランスの梅の花をモチーフにした照明や各所の間接照明が、静かで洗練された雰囲気を演出。和の意匠を取り入れたインテリアと現代的な快適さが見事に調和しています。
全客室には自家源泉の温泉が備えられ、プライベートな空間でくつろげる設計。畳や障子を取り入れた和のデザインと、モダンなインテリアが融合し、心地よい滞在を提供します。
「ふふ 日光」の建築は、日光の伝統と自然に敬意を払いながら、現代のラグジュアリーを体現した空間です。ここでしか味わえない、静寂と美の調和をぜひ体験してください。
8.【日光金谷ホテル】日本最古のクラシックリゾートホテル
「日光金谷ホテル」は、1873年創業、日本最古のクラシックリゾートホテルです。歴史と格式を誇り、チャールズ・チャップリンやアルベルト・アインシュタインなど、多くの著名人も滞在したことがあります。
建物は、和洋折衷のクラシックなデザインが魅力で、和風建築ならではの温もりと、重厚な洋風インテリアが調和しています。館内には、日光東照宮をイメージしたデザインの彫刻や趣のある階段、アンティーク家具等が配され、建築そのものが歴史を感じさせる特別な空間を演出しています。
レストランでは名物の「百年ライスカレー」や、地元食材を活かしたクラシックな洋食が楽しめます。伝統を守りながらも、現代の味覚にも合うよう工夫された料理は、訪れる人に特別な時間を提供します。
「日光金谷ホテル」は、歴史ある建築美と温かなおもてなしが魅力の、日光を代表する特別な宿泊施設です。
9.【JR日光駅】日光の玄関口。クラシカルな大正浪漫漂う日光駅舎。
明治時代に建築された木造駅舎。洋風建築の影響を色濃く受けた外観と、駅舎内部のクラシカルな雰囲気が特徴。旅の始まりに訪れたい、美しい建築のひとつです。
階段を登った2階には漆喰で装飾された天井から吊りさがる、豪華で大きなシャンデリア。かつて一等旅客専用待合室として利用された空間が、今は多目的ホール「ホワイトルーム」として公開されています。 大正元年に改築された日本国内では希少な木造2階建てのネオ・ルネッサンス様式の駅舎。 “白い貴婦人”とも称されるその優美なたたずまいは、国際的な観光地の玄関口にふさわしい白亜の洋館です。日光駅舎は、2023年で竣工111周年を迎えました。
10.【日光市庁舎】「大名ホテル」との異名を持つ城郭風建築
日光門前の町並みに調和しながらも、どこか異国情緒を漂わせる城郭風の建築・日光市庁舎(旧日光市役所記念公園)。大正時代、「大名ホテル」として建設されましたが、実際にホテルとして稼働することはほとんどなかったとのこと。日光市庁舎としても活用され、長らく行政の拠点として市民に親しまれてきました。建物の構成は、北側に3階建ての本館、南側に増築された2階建ての付属棟があり、両者は渡り廊下でつながっています。
その歴史を映し出す外観は、重厚な造りと格式を感じさせる意匠が特徴的。長い時を経て、その役割を終えた今、未利用の内部空間は新たな価値を生み出す可能性を秘めています。
日光には名建築がまだまだ盛りだくさん!
いかがでしたか?日光エリアには、歴史的な趣を残しながらも、モダンなデザインを取り入れた魅力的な建築が数多く存在します。今回紹介したスポットは、それぞれ独自のストーリーと空間デザインの工夫が施されており、訪れるたびに新たな発見があります。ぜひ日光の名建築を巡って、日光らしさを感じ取ってみてください!
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